人的資本開示をひらく
〜実践と開示をつなぎ、人的資本経営の可能性を示す〜
前回のインタビューでは、人的資本開示の2大基本方針の1つ目、「外部の要請に即して適切に開示すること」について伺いました。
最終回となる今回は、Human Capital Reportで紹介している内容をもとに、
もう一つの基本方針「開示内容と実態を一致させること」を取り上げます。
当社グループでは、人的資本経営において大切なのは、
日々の実践と開示を切り離さず、互いに連動させながらサイクルを回し続けることだと考えています。
だからこそ、スコアやKPIといった結果だけでなく、
その背景にある取り組みや変化のプロセスまで示すことを重視しています。
今回は、人的資本経営を支援する立場として、自社の実践をどのように社外へ発信し、
その内容をデータや事例によって実態あるものとして示しているのか。その裏側について聞きました。
現場のPDCAを、データと事例で示す
開示内容と実態を一致させるために、現場での取り組みをどのように可視化しているのでしょうか?
私たちは、人的資本経営におけるKPIとして、「人材力」と「組織力」を置いています。
「人材力」とは、組織が求める能力と、個人が保有する能力の合致度合いを示すものです。
一方で「組織力」は、組織のありたい姿と、個人のモチベーションの合致度合いを示すものです。
個人の能力開発だけでも、組織の状態づくりだけでも、人的資本の価値を十分に高めることはできません。
だからこそ、この2つを掛け合わせて見ていくことが大切だと考えています。
今回のレポートで特に意識したのは、単にスコアや数値を掲載するだけでなく、
現場でどのようにPDCAが回っているのかまで示すことです。
たとえば「人材力」の側面では、若手コンサルタントの成長ストーリーを事例として取り上げました。
サーベイ診断を通じて自身の現在地を把握し、研修を受け、職場でフィードバックを受けながら実践し、
最終的には全社アワードを受賞するまでの成長プロセスを紹介しています。
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また「組織力」の側面では、ある部署の半年間の組織変革サイクルを掲載しています。
サーベイ結果をもとに課題を捉え、キックオフで認識をそろえ、本音のコミュニケーションを重ねながら、
組織文化として定着させていくプロセスを月ごとに整理しました。
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方針として掲げている取り組みが、実際の現場でどのように運用され、個人や組織の成長・変化につながっているのか。
その具体的な事例まで示すことで、開示内容が現場の実践に裏付けられていることを、よりリアルに伝えられると考えています。
外部データで、自社の現在地を示す
今回はOpenWorkの「従業員クチコミレポート」のデータも活用されています。
なぜ外部データを取り入れたのでしょうか?
自社で取得しているサーベイデータだけでは、どうしても見え方が一面的になることがあります。
そこで今回は、社員クチコミサイト「OpenWork」に蓄積された投稿をもとにした「従業員クチコミレポート」も活用しました。
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OpenWorkは当社グループのサービスではありますが、ここで扱っているのは、
当社が独自に設計・実施した社内アンケートではありません。
外部プラットフォーム上に蓄積された社員クチコミデータをもとに、
自社の状態を社会全体や他社との比較の中で捉えられる点が特徴です。
レポートでは、「働きがい」「組織文化」「働きやすさ」といった観点から、当社グループの状態を可視化しています。
スコアやその推移だけでなく、サービス業の上場企業における順位なども掲載し、
自社の状態を世の中との相対値で示しています。
また、数値だけでは背景まで読み取りきれないため、「従業員クチコミレポート」の分析を担当している外部の専門家である
株式会社クレジット・プライシング・コーポレーション様によるコメントも掲載しました。
組織文化や働きがい、働きやすさの特徴を読み解くことで、自社の強みや課題を客観的に把握し、
今後さらに伸ばすべき点や向き合うべきテーマの整理につなげています 。
このように、自社の中だけで完結した評価ではなく、外部データや専門家の視点も取り入れることで、
人的資本経営の現在地をより客観的に示すことを意識しました。
開示を、次の実践につなげていく
開示したデータや事例は、社内ではどのように活用されているのでしょうか?
開示した内容は、社外に向けた発信であると同時に、社内で自分たちの現在地を見つめ直す材料にもなっています。
今回、人材力や組織力のPDCAサイクル、社員の声に基づくデータ、外部の視点をあわせて整理したことで、
どこに強みがあり、さらに磨くべきテーマは何かを考える機会になりました。
経営陣や現場のマネジャーが、次の打ち手を考えるうえでも重要な材料になります。
全3回の連載を通じてお伝えしてきたのは、「外部要請を踏まえた開示」と「開示内容と実態の一致」という2つの考え方です。
外部から求められる開示要請にきちんと向き合うこと。
そして、自社の現場で実際に行われている取り組みや変化のプロセスを、データや事例によって裏付けながら示していくこと。
私たち自身もまだ試行錯誤の途中です。
それでも、自社での実践や開示を通じて得た学びを、お客様への支援にも活かしていきたいと考えています。
人的資本経営のパートナーとして、これからも皆さまとともに、人的資本経営の可能性を広げていければと思います。
詳しくは、Human Capital Reportへ
全3回のコラムでお話ししてきた詳細は、当社グループの「Human Capital Report」にて公開しています。
人的資本経営に対する私たちの考え方と、現場での実践、その実践をどのようにデータで捉え、
開示につなげているのかを体系的にまとめた人的資本開示レポートです。
人的資本経営やその開示を考えるうえでの一つの実例として、ぜひご覧ください。
レポートはこちら
―ありがとうございました。(全3回 インタビュー連載終了)
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