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人的資本開示の本質
~「実践」と「開示」をLINKさせる好循環とは~

2023年の義務化以降、急速に高度化が進む「人的資本開示」。
日々変化するフレームワークへの対応やKPIの設定に追われる中で、
「開示の先にある経営への活かし方」を模索している実務担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本連載では、当社グループのIR・PRを統括する責任者へのインタビューを複数回にわたってお届けします。

第1回目となる今回は、人的資本経営を本当の意味で磨き上げるための「LINK(連動)」の本質に迫ります。

開示を、“開示対応”で終わらせない

まず、ご自身のキャリアとこれまでの環境変化について教えてください。

2013年、新卒で当社グループのコーポレートコミュニケーションを支援する会社に入社しました。

当時は、統合報告書の黎明期。
企業の財務情報に加えて、「人的資本」をはじめとする非財務情報をいかに統合し、中長期の価値創造ストーリーを紡ぐか。
そうした情報開示の支援に夢中で取り組んでいました。 

その後、2020年に当社グループの管理部門へ異動し、今度は当事者として自社のIR・PR業務を担当することに。
途中、産休・育休で実務を離れた期間もありましたが、
復帰した私が目にしたのは、開示を取り巻く環境の劇的な変化でした。

なかでも象徴的なのが、人的資本に関する情報開示の急激な拡充です。
2023年から大手上場企業に対して有価証券報告書での開示が義務化され、
かつては「先進的な取り組み」や「理想的なトレンド」として語られていたものが、
企業の価値を左右する「必須の戦略」へと一気に高度化していました。

支援会社時代から、多くの企業が試行錯誤しながらこの分野を切り拓いていく姿を見てきたからこそ、
この激変には驚くと同時に、「人が生み出す価値」の重要性が
これほど大きな潮流になったことに、深い感慨と嬉しさを感じています。

「開示」はゴールではない。実践へ還すサイクルを回し続ける。

人的資本開示に向き合う中で、最も大切にされていることは何ですか?


私たちは、「開示すること」自体をゴールにはしていません。
「実践」と「開示」を切り離さず、ガッチリと『LINK(連動)』させてサイクルを回し続けること。
これこそが、私たちが何より大切にしている人的資本経営の本質です。

このサイクルを回していくために、私たちは特に「開示」のあり方において、2つの基本方針を徹底しています。

1つ目は、外部の要請に即して適切に開示すること。
IFRSやSSBJ、ISO 30414といった外部フレームワークをいち早く捉え、
求められる基準に沿って正しく情報をオープンにすることは大前提として非常に重要です。

2つ目が、その開示に、きちんとした「実態」を伴わせることです。
当社ではよくスポーツに例えているのですが、試合結果(スコア)という表面的な数字だけを並べても、
そのチームの本当の強さは伝わりません。
日々の練習の仕方やチームづくりという「中身(実態)」を詳細に見せるからこそ、初めて信頼に足る情報になります。
形だけの制度やKPIを取り繕うのではなく、現場のリアルなプロセスまでを真摯に開示することにこだわっています。

このように、外部要請を踏まえ、企業活動の実態に即した適切な開示を行う。
そうした透明性の高い開示を行うからこそ、
外部から本質的な評価やフィードバックという形で、新たな気づきをいただくことができます。

そして、そのフィードバックをもとに、
今度は社内の企業経営や人への投資をさらに磨き上げるという「実践」へ還元し、アップデートしていく。

要請に即した結果や実態を「開示」し、得られた気づきを「実践」に繋げ、また次の開示へ向かう。
この両輪がLINKする好循環を、当社グループの成長エンジンにしていきたいと考えています。

「実践と開示のLINK」を体現したHuman Capital Report 2025

ありがとうございました。次回は、より具体的な中身について伺っていきます。

第2回目以降は、「開示」の基本方針を具体的に紹介していきます。
次回は、外部要請に対する対応について、
深くインタビューします。どうぞお楽しみに!

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