事業ビジョン
変容の時代に求められる
モチベーションエンジニアリング
変容の時代に求められる
モチベーション
エンジニアリング
川内 正直
Profile
2003年新卒入社。2010年、採用領域事業(関西エリア)の執行役員へ就任。2014年、大手企業向けコンサルティング事業の執行役員へ就任。2018年、当社取締役へ就任。2022年、常務執行役員へ就任。
“トランスフォーメーションに
失敗してきた日本への危機感と責任”
“トランスフォーメーションに
失敗してきた日本への
危機感と責任”
私は2003年、リンクアンドモチベーションに新卒で入社しました。当時はスポーツの世界などでしか使われていなかった「モチベーション」という言葉は、約20年経った今では企業経営の世界でも一般的になり、働く人の気持ち・組織の力が、企業経営において何よりも大切だという考え方は広く社会に浸透してきたと感じます。リンクアンドモチベーションがそんな社会の変化に寄与できたという自負もあります。ただ一方で、忸怩たる思いもあります。私たちは、まだまだ社会を、世界を、変えられてはいません。この20年の中で、HR(Human Resources)という分野において、「成果主義」や「働き方改革」といった変形・変化(トランスフォーメーション)の波が、日本に押し寄せました。その度、日本企業は苦労をしてきました。「何を実現したいのか」「なぜ変化するのか」という本質が置き去りにされたまま、表層的な形式だけを模倣してしまい、トランスフォーメーションが実現してこなかった。どれだけ新しい技術や考え方が生まれたとしても、それを取り入れ、活かせるかどうかは、人であり組織次第です。今、また新たに「デジタルトランスフォーメーション」という大きな波が、日本企業に押し寄せています。「デジタル」という、これまで以上に広い範囲・猛烈なスピードで技術革新が起きる中、人や組織は変化していけるのか。岐路に立つ日本に対して、危機感と責任を感じています。
“モチベーションエンジニアリングが
真価を発揮する時代”
“モチベーション
エンジニアリングが
真価を発揮する時代”
リンクアンドモチベーションの基幹技術「モチベーションエンジニアリング」は「モチベーションの高い組織をつくる」技術とイメージされることが多いですが、本質は「変化できる組織をつくる」技術です。生み出すのは、「変化へと向かうモチベーション」であり、「変化の可能性を育むエンゲージメント」であり、「組織の変化」そのものです。感染症のパンデミック、デジタルトランスフォーメーションという大きな変化に直面し、何かを「変えたい」「変えなきゃいけない」という意志が続々と生まれるこの世界において、「変化できる組織をつくる」技術であるモチベーションエンジニアリングの重要性は高まっています。HR Techの分野では、日本はアメリカよりも10年遅れている、と言われています。HRの領域や経営学の考え方においても、日本から世界に送り出しているものは、ほとんどありません。リンクアンドモチベーションが開発した「モチベーションクラウド」は 、HR Techの中でも「エンゲージメント」という分野のサービスですが、その分野だけでも現在のアメリカでは数千億円の市場です。現在日本では、HR Tech全体でも数百億円程度しかありません。遅れているとも言えるし、その分まだ可能性があるとも言えます。モチベーションクラウドは、日本のエンゲージメント分野における先駆けとして、2015年から着手し2016年にリリースをすることができました。2020年には、世界有数のHR Techメディア「HR TECH Outlook」より、アジア太平洋地域における、「Employee Engagementサービス」TOP10企業として選出いただき、グローバルレベルでも存在感を発揮し始めました。これまで以上に変化が求められる時代、そして常に「遅れている」と言われてきた日本において、今こそモチベーションエンジニアリングという技術の真価を発揮しなければならないと感じています。
“追い求め続ける
One for All, All for One”
“追い求め続ける
One for All, All for One”
私はOne for All, All for Oneという言葉が好きです。小説「三銃士」やラグビーのチームプレイの精神を表す言葉として有名ですが、「一致団結」という意味合いだけではなく、「相反するものの同時実現を目指す」という意味で、私は捉えています。「One for All」も「All for One」も、そのどちらも大切。片一方だけを実現するのではなく、両方を同時実現することの希少さと難しさ。コンサルタントとして企業の組織変革にあたる際にも、経営者として自社の経営の舵を切る際にも、いつもこの言葉が頭の中にあります。一方に偏れば、組織にも事業にも歪みが生じ、サステナブルではなくなってしまいます。どちらかに偏ることなく、どうすれば価値を最大化し、持続可能な世界を実現できるかを追い求め考え続けるのが、私たちリンクアンドモチベーションらしい考え方だと思います。また、「中庸」という言葉もありますが、この考えは東洋独自の思想だと思います。特に日本は島国だったので、諸外国のいいところを見つけて取り入れ、改善して発展を続けてきました。どちらか一方ではなく、その複雑性を取り込みながら、同時実現を目指していくという発想自体、東洋からでないと生まれないのではないでしょうか。「日本発」だからこそ、今後数百年先に残る考え方を世の中に生み出していけると思います。テクノロジーはこれからも世界中で磨かれ続け、様々な領域で進化し、変化し続けていくでしょう。私たちも世界のトランスフォーメーションを加速できるようHR Techの分野から貢献したいと思います。そして「チームとは何か」「協働とは何か」「個人の可能性を発揮する組織とは何か」といった変わることのない根本的なテーマを探求し続けたいと思います。理論と実践、組織と事業、経済と環境、答えなき問いに向かって最適解を考え抜き、価値最大化への挑戦を止めない。One for All, All for Oneは、私たちの永遠のテーマです。