事業等のリスク

以下において、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある特に重要なリスクを記載しております。ただし、全ての重要なリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性がございます。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。

(1)経済状況等の変動等、マクロ環境に関するリスク

(リスクの内容)
新型コロナウイルス感染症の世界的な経済活動への影響の継続に加え、ウクライナ情勢の深刻化に伴う物価上昇や急速な円安進行の影響により、経済状況の先行きは不透明な状況にあります。このような経済状況等の停滞・悪化により、サービスに対する需要が低迷する場合には、当社グループの経営成績等も影響を受ける可能性があります。
具体的には、組織開発Divisionの特に中小ベンチャー企業へのコンサルティングにおける、事業環境の悪化に伴うプロジェクトの休止等の影響や、マッチングDivisionの人材紹介事業における、企業の雇用環境の変化の影響が想定されます。

(主な対応策)
当社グループでは、2010年代に経済状況等の影響を受けにくいALT配置事業やキャリアスクール事業を開始し、変動に耐えうる事業ポートフォリオの構築をしております。また、企業を取り巻く環境変化のスピードが速まる中、その変化に柔軟に、素早く対応し、影響を最小化できるよう、「LMGの経営方針3カ条」において「運動神経の良い経営」を掲げております。この方針に基づき、経済状況等についても適宜経営会議にて議論することで即時の意思決定を行っております。一例を挙げると、事業戦略と組織戦略を繋ぐ人的資本ROIのモニタリングを行い、短期・中長期の最大成果の創出に向けて、経済状況に合わせて投資内容を検討しております。

(2)知的財産権に関するリスク

(リスクの内容)
当社グループは、モチベーションエンジニアリングを基軸とした事業展開によってブランドを確立しておりますが、本技術を模倣した企業の出現によって、競合事業者に対する当社グループの優位性を顧客に対して十分に訴求できなくなる恐れがあり、売上の減少等、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、事業規模の拡大やテレワークの導入に伴って、コンサルティングノウハウや顧客事例など、知的財産の流出・漏洩が発生しやすい環境となっており、ブランド棄損や風評リスクも高まっております。

(主な対応策)
モチベーションエンジニアリングの模倣可能性の低減に向けては、R&D部門が主導となり本技術を常に進化させるとともに、法務部門を中心に商標権や特許権、著作権等複数の知的財産権を組み合わせて知的財産を多面的に保護してまいります。
また、知的財産の流出・漏洩に対しては、法令から要請される合理的な情報管理措置及びデータガバナンスの構築のみに留まらず、社員向けの啓発を強化し、営業秘密をはじめとした情報資産保護の実効性を向上させてまいります。

(3)データセキュリティ・データプライバシーに関連するリスク

(リスクの内容)
当社グループでは、事業運営に関し、顧客企業の組織人事情報(組織開発Division)、氏名・生年月日等の 顧客情報(個人開発Division)、求職者・求人情報・その他企業情報(マッチングDivision)等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。
サイバー攻撃等の外部の不正や、内部の不慮が原因で個人情報が漏洩し、情報主体ないしは顧客企業等に被害が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。

(主な対応策)
当社グループでは、プライバシーマークに準じた情報管理規定及び管理手法を策定し、組織面・技術面ともにその遵守に努めております。具体的には、管理規程に則り各就業規則を策定し、全役職員及び全従業員に個人情報保護管理に関する定期的な教育を徹底しております。
機密性・完全性・可用性を考慮したセキュリティ要件を策定し、環境構築・運用時の遵守を徹底しております。ランサムウェア、不正アクセス等の外部脅威の防御や内部の不慮の防止のための技術的対策を講じております。
また、日々高度化する外部からの脅威に備え、必要な対策を取るべく、外部機関からの情報収集及び中長期的な視点での情報セキュリティの向上を継続的に取り組んでおります。

(4)自然災害、感染症の伝染及び有事に関するリスク

(リスクの内容)
想定を超える規模の災害の発生や感染症の蔓延により、システム障害・事業停止等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
特に、気候変動に関する緊急性の物理的リスクの一例として、異常気象(豪雨)による洪水や土砂災害が発生した場合、個人開発Divisionのキャリアスクール事業において校舎の損害や営業停止といった被害を受ける可能性があります。

(主な対応策)
緊急性の物理的リスクに対しては、校舎数の削減及びオンラインでの講座受講の促進を継続しております。

(5)法規制に関するリスク

(リスクの内容)
当社グループは、事業を展開する国又は地域の法令等を遵守する必要があります。個人情報保護、データ保護、電気通信、消費者保護、労働、人権、反贈収賄、税法、独占禁止法等、当社グループに適用される法令等に違反した場合、当社グループの事業運営、業績及び社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、近年、企業と人権問題に関する活発な議論がなされていますが、当社グループが人権に関する法令に関して適切に対応できない場合、当社グループのブランドに影響を与える可能性があります。加えて、当社グループのALT配置事業においては、当社グループが派遣するALTが安全且つ衛生的に働ける職場環境が派遣先において整備されていない場合、派遣社員の人権が侵害され、当社グループの経営成績等やブランド及び社会的信用に影響を与える可能性があります。

(主な対応策)
当社グループは、「LMGの経営方針3カ条」において「一点の曇りもない経営」を掲げ、顧客、取引先、社員、株主など当社グループを取り巻く全てのステークホルダーに対して、法令違反や不誠実が一切存在しない経営を目指しております。法務部門を中心に、事業を展開する国又は地域の法令等の変更を適切に理解し、対応を進めてまいります。
また、人権に関しても、既にコンプライアンスの強化とハラスメントの防止について施策の検討と実施を重ねており、人権デューデリジェンスに取り組んでまいります。特に、ALT配置事業においては、全国に派遣しているALTに対して、定期的にエンゲージメント調査を実施することにより、人権侵害リスクの予知と予防、実態の把握を徹底してまいります。

(6)人材確保に関するリスク

(リスクの内容)
当社グループは、人的資本を最重要視し、人的資本及びその他の資本を最大化させ、その資本をもとに顧客価値を創出し続けています。そのため、持続的な成長を遂げるためには、優秀な人材の確保が肝要です。大幅な成長を見込んでいる組織開発Divisionにおいては、プロジェクトマネジャーやエンジニアの確保及び育成が重要となっておりますが、かかる人材の確保ができない場合や優秀な人材を確保するため従業員の報酬・賃金水準が上昇する場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

(主な対応策)
当社グループは創業以来、「優秀な人材をエンゲージメント高く採用するために投資を惜しまない」という考えを共有し、自社の採用コンサルティングナレッジを用いながら、人材確保を重ねております。また、優秀な人材の獲得に向けて、応募者から「選ばれる企業」であるべく、従業員エンゲージメントの向上やブランディングに取り組み続けております。事業の安定化とコンサルティングの生産性向上を図るべく、組織・人事に関するコンサルティングサービスの一部クラウド化を推進し、テクノロジーとヒューマンタッチの最適化を図ってまいります。

(7)資産の減損等に関するリスク

(リスクの内容)
当社グループは、M&A等による事業の拡充を行い、新たな領域への積極展開や新たな商品サービスラインナップの拡充を進めることで、拡大スピードを速めてまいりました。結果として、連結財務諸表にM&A等による株式取得に伴うのれんを相当額計上しております。今後、取得済みの株式に係る事業について、経営環境や事業状況の変化等により事業収益性が著しく低下した場合等には、減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(主な対応策)
減損損失額を最小限にするべく、M&A後のシナジー実現に向けたフォローアップや経営成績の定期的なモニタリングをさらに強化してまいります。

経営方針・戦略

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