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STORIES 日本を代表する大企業を動かす
過去最大級の組織変革

日本を代表する大企業を動かす、過去最大級の組織変革
初田 慶一郎

初田 慶一郎

大手企業向けコンサルティング部門
責任者

2008年新卒入社。組織開発や人材開発のコンサルティングを担当し、その後、営業マネジャーを経てカスタマーサクセスの立ち上げに従事。2017年には西日本責任者として全事業を統括し、最年少でカンパニー長に就任。現在は大手企業向けコンサルティング部門の責任者を務める。

山田 奈穂

山田 奈穂

大手企業向けコンサルティング部門
営業マネジャー

2012年新卒入社。一貫して大手企業に向けた採用コンサルティング領域に従事。現在は、営業マネジャーとして事業・組織創りを推進。顧客との付き合いが深く、本プロジェクトでは最高人事責任者CHROと直接のやり取りを行う。

製造業のリーディングカンパニーにおける組織変革プロジェクト。カンパニー制から事業会社制への組織体制変更に伴い、各事業会社を対象に提案やプロジェクトを進めていった。中でも急成長が求められているA社に対しては、成長スピードに合わせた一気通貫の組織変革を提案し、各部署を横断してのサポートでプロジェクトを進行中。

全社の力を結集し、前例なき挑戦に臨む。

日本を代表する大企業の変革は構造もそれぞれの課題も複雑。

初田:私がプロジェクトマネジャーをしている本プロジェクトのお客様は、創業100年を超える、日本を代表する企業です。2020年にカンパニー制から事業会社制に移行し、ホールディングス(HD)としてはそれぞれの事業ごとに専門特化して事業を伸ばし、社会的な価値を創出したいと考えておられます。

山田:この大きな方針転換において、リンクアンドモチベーションはパートナーとして選ばれ、複数のコンサルタントや営業が個々の事業会社のサポートを担当しています。そのうち私が担当しているA社は急成長が求められている会社ですが、採用人数を倍にしたり、若手強化のための育成体系を作ったり、組織強化のためのモチベーションクラウドを導入したりといった、一気通貫の組織変革プロジェクトが進んでいます。

初田:HDがあり、事業会社それぞれにもコンサルタントがついていて、プロジェクト状況を一言では説明できないほど深い関係性を築いています。リンクアンドモチベーション側には、30人ほどのプロジェクトメンバーがいて、グループ一体の施策、あるいは事業会社ごとの施策など、さまざまな動きをしています。それだけ大きなお客様であり、リンクアンドモチベーションにとってもかつてない大企業の変革プロジェクトとして、これまでとは異なる新しい挑戦をしている実感があります。

CHROとともに、
事業成長に向けた組織変革を実現する。

CHROとともに、事業成長に向けた組織変革を実現する。

山田:中でも私が担当するA社の事例を語りたいと思いますが、ここでは事業拡大に向けた組織変革を行っています。お付き合いのスタートは、中途・新卒採用強化のための採用戦略づくりでした。2022年に採用人数を倍に増やす支援で信頼を獲得し、その後に若手社員の教育や、モチベーションクラウドの導入といったプロジェクトに進展していきました。対応していただいているのは最高人事責任者であるCHROです。私の役割はA社の事業成長のために経営や人財という側面から、CHROが葛藤されていることを把握し、課題解決/願望実現に向けてリンクアンドモチベーションとして何ができるのかを考え、目的実現に向けた推進をすることです。

初田:A社は20,000名規模の会社なのですが、山田さんが頑張ってくれて、採用を起点としたところから、一気通貫の組織変革の提案をするところまで拡大しました。山田さんが担っている採用コンサルティング部門だけではなく、リンクアンドモチベーショングループのさまざまな事業会社、事業部門を横断してサポートを行っています。

山田:現在重視しているのは若手社員の早期戦力化に向けたプロジェクトで、その育成方針を固めているところです。なぜそれを重要視し、急ぐのかというと、大企業ゆえに新卒社員の多くが「給与や入社後のキャリアに対する安定」を期待し、「この会社で普通に働いていれば自分なりの成長ができ、安泰である」と思って入社してきます。A社の事業は、日本の最重要基幹産業の一つに掲げられている分野のものということもあるでしょう。しかし、A社はもともと、世界で半分近くのシェアを握っていたものの、近年は国を上げてこの産業に投資をしている海外の企業にシェアを奪われています。つまりA社はグローバルでしのぎを削っている状態であり、海外の競合と戦う会社になっていかないといけないにも関わらず、若手社員が安定志向であることにCHROは危機感を抱かれていました。

初田:そこで若手社員の早期戦力化が大事であり、育成方針を検討しようということになったんですよね。こちらはCHROと山田さんで直接向き合って進めているプロジェクトなのも特徴的です。

山田:膝を突き合わせながら喧々諤々、日々討議しています。育成については今いる人財も育てていくのですが、これまでと違う人財を採用することによって、組織に化学反応を生み出そうとしています。他社が提供しているデータや当社のモチベーションクラウドのデータを活用し、人財の質的な分析を図るとともに組織課題を洗い出すことによって、これからどのような人財が求められていくのかという検討を行っています。

初田:本来こういったものは主担当が付いて、プロジェクト形式で役員を巻き込むことが一般的ですが、CHROが直々に行っていることに、A社の本気度合いと危機感が見えます。

山田:5年後10年後の事業競争力強化に向けては優先度の高い事案と捉えていただいています。現在は人事戦略や求める人財像、その実現に向けた能力要件や項目などが整った状況です。ただ、今後の課題としては、大きな組織なため、一律で運用することが難しいこと、また、多忙なため取り組みの優先順位が下がってしまいがちになることです。今後は施策の落とし込みと実行が重要になっていきます。

日本の復興のためにも
変革を成し遂げたい。

日本の復興のためにも変革を成し遂げたい。

初田:施策の落とし込みと実行において何が大変かというと、やはり会社が大きいことだと思います。企業は大きくなっていく過程で、機能や階層の分化が行われます。機能を営業や開発、製造といった部門に分けたり、階層を事業部長・部長・課長などに分けたり、効率化しながら組織が大きくなっていくんです。しかし、分化をしていくと組織ごとの距離感が生まれ、本来目指していたものが薄まっていくのです。だからこそ、この会社はグローバル戦略に遅れを取り、全体として20年成長が停滞していたとも言われています。このように分化が原因で事業効率が下がった場合に、多くの企業では欧米化を進め、トップを外国人にしたり、事業整理をすることで効率化を図ることが一般的です。一方で、この会社は事業会社制を取り、個々の事業会社がそれぞれの市場環境や事業状況を踏まえて、ミッション・ビジョンや組織・人材戦略を立て、事業成長を実現しようとしています。つまり、分化に対する統合軸を強化し、OneforAll,AllforOneの企業創りをしています。そこに日本企業の本来の在り方や未来を感じたりもします。経済合理軸で痛みを伴う意思決定をすることも大事ですが、各事業会社の社員ひとりひとりの可能性を信じ、事業成長に加えて、社員の働きがいも同時実現しようと挑戦している。日本全体でみると、その方が国力が上がるし、世の中が良くなると思うんです。それを応援したい気持ちは強いですね。

山田:日本で大きなGDPを占める製造業の復興は、日本の復興にもつながると思っています。そういう意味でA社とのプロジェクトにはとてもやりがいを持っています。どんな提案でも「A社じゃなければ言えないことは何なのか」を求められ、そこにとことん向き合っています。

初田:でも私たちがひたむきに向き合う姿勢を見せることこそ、お客様から選ばれているひとつの理由だと思うんですよね。上からいろんなことを言ってくる経営コンサルタントは多いと思うんですが、私たちはどちらかというとSide by Side。「一緒の目的や目標に向かってやってくれるのがリンクアンドモチベーションですね」と評価いただけています。だからたとえば、取り組みの成果が思うようにいかなかったとしても、「ここまでお互いに突き詰めて考えてもうまくいかなかったのだから、次を考えよう」と言ってもらえるほどの関係になれているし、長くお付き合いできている秘訣だと思います。

プロジェクトを通して
挑戦の桁を変えていく。

プロジェクトを通して挑戦の桁を変えていく。

初田:現在、A社については組織変革の基盤体制が整った状況ですが、まだ二合目に到達といったところでしょうか。変革は適切な設計図を作ることと、設計図をもとに実行させることで進みますが、後者の方が圧倒的に難しい。社内に反発はありますし、いきなり変われと言われるとやはり人は驚き、傷つきます。その衝撃を少しでも和らげられるよう、現在は心を解きほぐしているフェーズです。

山田:A社のこれからに関していえば、ここから加速させたいのは事業会社としての競争力を労働市場・資本市場共に高めることです。ミッション・ビジョンについてはすでに策定がなされているので、ミッション・ビジョンを起点とし、労働市場・資本市場にオンリーワン性のあるメッセージを伝え、組織変革を加速していけるかがテーマになると考えています。

初田:HDとしても、現在は事業会社が人材マネジメントシステムを個々に追求してバラバラになっているので、全体の人事ポリシーや教育方針、組織ガイドラインを作っていくことが大事になってくるでしょうね。
今回のように創業から100年を超える企業と長い時間を過ごし、その企業のカルチャーを肌で感じてみると、真の成果を出すためには、コンサルタントとして専門性や客観性を持つだけではなく、泥臭く動いて相手のことを理解し、一蓮托生の姿勢でやっていく必要性がこれまで以上に増していると感じます。また、自社のアセットだけで解決するのではなく、他社と組みながら、ダイナミックに仕掛けてグローバルNo.1企業へと発展させていきたいですね。

山田:とにかく変数が多く、それぐらい事業変化の激しい環境にさらされていることだと思っています。常に前提、前例がない中で進めていくプロジェクトになるため、執着心…知的好奇心と言い換えてもいいかもしれませんが、それを持ってプロジェクトに向き合うことが大事です。また、私自身はA社のプロジェクトでコンサルタントとしての力量をかなり伸ばしていただいていると感じています。会社としても日本を代表する大企業の、しかも役員クラスの方々からフィードバックいただけているのは学びになっています。

初田:HD全体に対し最大規模の組織変革を行っていますが、A社のプロジェクトだけを見ても、ここまで高い視座で育成体系を構築した例はそう多くはありません。一つの代表的な成功事例をA社で作りたいと思っています。また、成功事例を創るためには、前例の無いことに挑戦し続ける必要があります。お客様と共に、日本の未来を背負い、世界と戦える国を創る気概をもって、プロジェクトを成功に導いていきたいですね。