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2009年7月10日

「ライフスタイルモチベーションインディケーター2008」 日本人の価値観調査

~生活格差が拡大 一律のマーケティングでは非効率~

全国3,000人への調査

経営コンサルティングの株式会社リンクアンドモチベーション(東証一部、以下LM)は、独自の市場調査である、「ライフスタイルモチベーションインディケーター(※注1 以下LSMI)」を実施し、2008年のアニュアルレポートを発行しました。当調査は1975年以降、33年間継続的に実施している調査で、長期での価値観トレンドの変化を観測することができます。また、LM独自のセグメンテーションである、ライフスタイルアーキテクチャー(※注2 以下LiSA)を用い、ライフスタイル別に日本人を8つのタイプに分類し、価値観を分析できることが特徴です。
当リリースではLSMIの結果から、以下の3点を抜粋してお伝えします。

【価値観トレンド 時系列比較】
「金融バブル崩壊」と、過去に起きた「不動産バブル崩壊」、「金融バブル崩壊」による消費者の価値観変化の違い
【価値観トレンド ライフスタイル別比較】
 ライフスタイル別のこの1年の“満足度”と“変化”
【今後の企業の対策】

⇒このニュースリリースをPDFで読む

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■結果概略
【価値観トレンド 時系列比較】 多くの消費者を内向きに変えた、「金融バブル」の崩壊
2008年はリーマンショックを発端として、「金融バブル」の崩壊が起こりました。過去の「不動産バブル(1986年末~1991年)」や「ITバブル(2000年)」の崩壊時のLSMIの結果、及び今回のLSMIの結果を比較すると、「金融バブル」の崩壊は過去2回のバブル崩壊とは異なり、広範囲の消費者に影響を与え、消費対象を内向きに変える力があったことがわかりました。

【価値観トレンド ライフスタイル別比較】 生活格差が拡大している
日本人全体の動向では、「金融バブル」の崩壊は広範囲の消費者に影響を及ぼしたことがわかりましたが、LiSAを用いたライフスタイル別の消費者分析では、不況の影響が現れていない消費者もいることがわかりました。生活への満足度が元々高いライフスタイルの消費者はこの1年で更に生活が良くなったと感じており、満足度が元々低いライフスタイルの消費者はこの1年で生活が悪くなったと感じていることなどから、生活格差が拡大していることが言えます。

【今後の企業の対策】 一律対応のマーケティングではなく、顧客層ごとの変化を理解すべき
「金融バブル」の崩壊による不況で、一般的に価格低減圧力は強まっていますが、体力のある企業でなければ価格競争に正面から対応することは困難です。また、ライフスタイル別に消費者を分析から、顧客層ごとの格差は拡大しているため、一律対応のマスマーケティングは有効とは言えないでしょう。従って企業は、全体視点だけではなく、自社のターゲット顧客ごとの変化を理解し、戦略を練り直すことが重要と考えます。

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■参考資料
(※1)ライフスタイルモチベーションインディケーター(LSMI)とは
LSMIは、米国の社会心理学者ダニエル・ヤンケロビッチ博士からライセンス供与を受け、1975年より30年以上にわたって実施している日本で最長、最大規模のライフスタイル・サーベイです。日本人の価値観・ライフスタイルという消費者の心理的な側面から市場を考察した調査であり、国内外のリーディング企業のマーケティング・商品・デザイン・ブランドの戦略や施策に活用されています。30年以上蓄積されてきた過去の調査を元に、日本人の価値観を、長期トレンド(過去33年間の変化)、中期トレンド(過去10年間の変化)、短期トレンド(過去1年間の変化)で報告しています。また、2008年は「100年に1度の不況」とも言われた年であるため、過去の不動産バブルとITバブルの際の不況との比較も行いました。更に、LM独自のセグメンテーションであるLiSAを用いた調査も行い、報告しています。

(※2)ライフスタイルアーキテクチャー(Life Style Architecture、LiSA)とは
日本人を価値観・ライフスタイル要素で8タイプに分類した独自のセグメント・モデル。デモグラフィックを超えてもっとも汎用性が高く、各セグメントのプロファイルの体系的理解を共有することで商品・サービス・広告における受容仮説の考察が深まります。それぞれのタイプは以下のとおりです。(PDFをご覧ください)

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■結果詳細
【価値観トレンド 時系列比較】
◆「不動産バブル」、「ITバブル」、「金融バブル」の崩壊時における、『現在お金と時間をかけていること』の変化:広範囲の消費者を内向きに変えた、「金融バブル」の崩壊


2008年はリーマンショックを発端とした「金融バブル」の崩壊により、「100年に1度の不況」とも言われる経済状況へと大きく変化しました。そこで、LSMIの過去33年分のデータより、「金融バブル」の崩壊と、「不動産バブル(1986年末~1991年)」、「ITバブル(2000年)」の崩壊前後での、「現在お金と時間をかけていること」という設問に対する回答を比較しました。

・「不動産バブル」の崩壊時…崩壊前後での回答の変化はほとんど見受けられませんでした。
・「ITバブル」の崩壊時…バブル崩壊にもかかわらず、回答の変化として、「車」や「外食・グルメ」「衣服・ファッション」といった、外向き消費への関心・意識の高まりが見受けられました。
・「金融バブル」の崩壊時…過去2回のバブル崩壊と異なり、「家族」や「友人・知人」といった、より近しい人との交流意向の高まりが顕著な変化としてあらわれました。また、「テレビ・ビデオ等の鑑賞」の割合も大きく上昇し、“巣ごもり消費”の傾向が強まっています。

今回の「金融バブル」の崩壊と過去2回のバブル崩壊の最も大きな違いは、消費者の日常生活への影響度合いと考えられます。「不動産バブル」や「ITバブル」の崩壊は、投資家やベンチャー経営者など、当事者であった一部の消費者に影響を与えましたが、「金融バブル」の崩壊は、生活者の雇用など、ダイレクトかつ広範囲に影響を与えました。また、食事や娯楽などの消費を、家庭で完結させる“巣ごもり消費”の傾向が強まりました。(※1枚目の添付画像をご覧ください)

ここでは、「不動産バブル」を1986年12月~1991年2月、「ITバブル」を2000年、「金融バブル」を2008年と定義した。それぞれのバブルが崩壊する前後において、「現在、時間やお金をかけたいもの」の質問項目において、それぞれ前年比2ポイント以上増加したもの、減少したものを取り上げ、比較しました。

【価値観トレンド ライフスタイル別比較】
◆『生活に対する満足度』:生活格差が拡大

この1年の金銭、家族関係、仕事、健康の変化を問う項目について、ほぼ全てのライフスタイルが「金銭的に良くなった」よりも「金銭的に悪くなった」の回答が多い一方で、“アチーブ(自立達成型)”は唯一「金銭的に良くなった」の方が「金銭的に悪くなった」の回答よりも多くなりました。
(※2枚目の添付画像をご覧ください)


また、「この一年の満足度」を縦軸に、「この一年の生活変化」を横軸に置いて分析すると、①満足度が高く、良くなったと回答した「楽観視グループ」(35.7%)、②特にこの一年で変化していない「様子見グループ」(45.7%)、③満足度が低く、悪くなったと回答した「悲観視グループ」(18.6%)の3つに消費者を分類できることがわかりました。生活への満足度が元々高い、“リョウシキ(良識社会型)”、“アチーブ(自立達成型)”、“プレジャー(浪費快楽型)”の「楽観視グループ」はこの1年で更に生活が良くなったと感じ、満足度が元々低い“ナイーブ(感性・感覚型)”、“ヤリクリ(遣り繰り倹約型)”の「悲観視グループ」はこの1年で生活が悪化したと感じています。
(※3枚目の添付画像をご覧ください)


日本人全体の動向では、「金融バブル」の崩壊は広範囲の消費者に影響を及ぼしたことがわかりましたが、LiSAを用いたライフスタイル別の消費者分析では、不況の影響が現れていない消費者もいることがわかりました。生活への満足度が元々高いライフスタイルの消費者はこの1年で更に生活が良くなったと感じており、満足度が元々低いライフスタイルの消費者はこの1年で生活が悪くなったと感じていることなどから、生活格差が拡大していることが言えます。

【今後の企業の対策】
◆一律対応のマーケティングではなく、顧客層ごとの変化を理解すべき

以上のように、日本人全体の動向では「金融バブル」の崩壊により、広範囲の消費者が巣ごもり消費になるなどの影響が見られましたが、ライフスタイル別の動向では、全ての消費者が一律で不況の影響を受けているわけではなく、生活格差が拡大していることがわかりました。
不況の影響により、広範囲の消費者が巣ごもり消費になるなど、価格低減圧力は強まっていますが、体力のある企業でなければ価格競争に正面から対応することは困難です。
一方で、ライフスタイル別の消費者分析によると、顧客層ごとの格差は拡大しているため、一律対応のマスマーケティングは有効とは言えません。
従って企業は、全体視点だけではなく、自社のターゲット顧客ごとの変化を理解し、戦略を練り直すことが重要と考えます。

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■調査概要
・調査名称 「Life Style Motivation Indicator2008」 ※1975年にスタートし今年で33年目。
・調査目的 日本人の価値観・ライフスタイルという消費者の心理的な側面から市場を考察し、企業のマーケティング活動への判断材料を提供すること
・調査実施時期 毎年9月実施 ※LSMI2008は2008年9月実施
・標本数 3,000 (回収ベース)
・調査標本 15歳から69歳の男女個人
・調査地区 全国300地点
・標本抽出 人口統計にあわせたクォータサンプリング:層化2段抽出
・調査手法 留置法/一部訪問面接併用

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■報道関係者様のお問合せ先
株式会社リンクアンドモチベーション コーポレートデザイン本部 広報ユニット
TEL:03-3538-9517   FAX:03-3538-8672   Email:pr@lmi.ne.jp 

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■詳細データを用いたコンサルティングサービスに関するお問合せ先
株式会社リンクアンドモチベーション ブランドマネジメントカンパニー 営業担当:山口義宏
TEL:03-3538-8254 FAX:03-3538-8265 Email:brand_engineering@lmi.ne.jp

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